海岸線を歩く。
大体において独りだ。
(見渡す限り一人ということ)
独り言を言ってみたり、気分のよいときは歌を歌ってみたりすることもあるが、
やがて黙って、自然の音を聴くことになる。
珊瑚のぬけがらが波に洗われてカラカラという金属音。
脚を踏みしめた時に砂が鳴く音。
島風が顔の横で巻く音。
もちろんよい景色を探したりもするが、漂着物を見て歩くのもいい。
めずらしいものも落ちていたりする。
Rolleiflex 3.5F Xenotar
亀の頭蓋骨を耳に当て、音を聴いてみる。
波間を泳いでいたころの夢が見えたらと思いながら。
ここでは、
生きていること と 死んでいること の境界は、
それほどはっきりしない気がする。