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2009年 10月 19日
弥勒節
ミルク(弥勒)は遠い海の彼方、ニライカナイから五穀の種と豊穣を齎すと言われている。
波照間島では盆行事ムシャーマの際にミルク行列が行われるが、
他の八重山の島々では豊年祭で登場することが多い。
弥勒というと弥勒菩薩―シッダルダの入滅後56億7千万年後、人々の前に姿を現し、救済する
を連想する。
その顕現は八重山の弥勒信仰、弥勒世と通ずる。

ミルク信仰はその昔、中国やベトナムなどの東南アジアから伝わったとのことだが、
その際に作られた歌がある。

「弥勒節」

大国ぬーミール―クー ばが島にいーもーちー
(大国の弥勒様が我が島にいらっしゃった) 

うかきぶーせーみーしょーりー 島ぬあーるーじー 島ぬあーるーじー
(どうぞお治めください 島の主)

サーンサーン グヤーァー サー (スィ) サー サー・・・

八重山の祭を何度か見たことのある方ならば、必ず聴いたことがあるメロディ。
ゆっくりとした、私にはどこか呪術的な。
波照間の知人は「いつも会の〆に流れる、ヤマトの“蛍の光”みたいなもんさー」と言う。

私は西表の節で幾度も耳にした。
すべてが終わった時、集落全員で無伴奏で歌う。
最後のサーンサーン・・・という節の部分。
女性や男の子、老人、、、皆の声が空気を震わせた。
疲労がすっと消えて、なんともありがたい、幸せな心地。

ミルクのゆっくりとした、優雅な動きをするたびに、
世果報の粒子が皆に振り撒かれているよう。

私の頭の中に「たいぐくーぬー みーるーくー・・・」と流れてくる。


ミルクの向こうにニライカナイが見える。

三線でやっと安里屋ユンタを弾き語りできるようになりました。
次は何にしようかな、、、、
そうだ!弥勒節!と思ったのですが、はたして私にできるかなぁ。
まず歌の音程が高いような(^^;


by jazz_houser | 2009-10-19 12:38 | 波照間島


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