夕暮れ時。
日が沈んだナンタ浜に、子犬を連れた人影。
止まっては歩き、また歩いては、追いつく。
なんともそれが眩しい美しさ。
妙に自分が汚れてしまっているような気がした。
子犬がじゃれて駆け寄ってくる。
「あなたを撮らせてほしい」と一瞬、言おうとした。
・・・そんなことで台無しにしてまうような気がした。
Rolleiflex 3.5F Planar
子犬は3ヶ月だという。
いつかまた来た時、もうこの光景には出会えないかもしれない。
・・・それでもいい。
港で夜風に吹かれ、暗い海を臨む。
近くで強い光が埠頭を照らす。
・・・あぁ、ここは国境の島だった。
ふがらっさ、どなん