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2009年 07月 07日
異界へ
旅は異界へと向かうことだろう。
異界とは単純に見知らぬ土地ということだけではなく、
自分の生活圏以外の場所も含まれる。
そこに住み始めて日常となるなら、異界ではなくなるのかもしれない。

琉球の昔、外洋が異界であり、
異界とは信仰上、後生(彼の世)である。
簡単には手が届かない、人知の及ばない領域。

人の魂(マブイ)は海の遥か彼方にあるとされるニライカナイ、後生へ行くとされた。
でもなぜそこから此の世に帰ってくるとされたのだろうか。
昔話で村の外れの井戸が後生の入り口、とどこかで読んだ。
電気煌々とついた真の闇のない都会では、後生なんて発想は生まれない。

十六日祭では、彼の世の正月を墓で祝う。
彼の世はすぐ手の届きそうなところにあったりするのだ。
此の世と彼の世は反対のようで、なぜか近しい。

意外と既視感があったりすることを思うと、
私のマブイはどこかで見ていたのかもしれない。

異界へ_f0182432_0281012.jpg


Rolleiflex 3.5F Xenotar

私は此岸と彼岸を行ったり来たりする

肉体は生きたままで

by jazz_houser | 2009-07-07 00:30 | 新城島


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