本土の人間には八重山の冬は想像しづらい。
冬の初めに吹く風、ミーニシ(新北風)が吹くと海が荒れ始める。
ニシカチの影響が強い航路、石垣-上原(西表)-鳩間と石垣-波照間は欠航が目立つようになる。
旅行者だけでなく、単身赴任している方にも厳しい季節が訪れる。
冬の朝、欠航するか、出向するか躊躇われるくらいの場合、船内も際どくなる。
向かい風となり迫る波は船よりも高く、頂点に上りつめた時、
谷は遥か下、ビル2階ほどの高さから下を覗くように思える。
外洋を30分かかるところが2時間。。。波間に漂う小枝のよう。
Rolleiflex3.5F Planar
慣れない旅行者は出航時、騒いだり、飲食する人もいる。
私はよい場所を確保したら、すぐに外界との接点を遮断する。
全力で眠りにつくのだ。
船底が波頭を叩き、うめき声が谺する前に。