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2009年 01月 27日
まちぼうけ
思えば、初めての新城島は波瀾万丈だった。
石垣→西表・大原経由→新城島というルートで上陸した。
定期航路ではないが、島民が安栄観光に連絡すると、
便は選べないが乗せてくれる。
普通一人よりも数人集まった方がよい、けれど私は一人。
帰りはすんなり石垣直行、のはずだった。

おばぁに別れを告げ、ちょっとしんみりしながらおじぃと桟橋に向かう。
サソリやらカメラの故障も、今となってはよい旅のエッセンスかもしれないな・・・
昨晩は二人飲み過ぎて、「東京に電話しろ、歌を聴かせる!受話器こっち向けろ」
なんて大騒ぎしてたらおばぁに怒られた。
夜中に本気で唄うんだもの。

今夜は久しぶりにビールを飲んで、
石垣で味の濃いものを食べようかと思っていた。

木陰でおじぃと船を待つ。
おじぃもこの濃密な四日間で撮られ慣れてきたらしい。
「あれだ、大原から船が出た」
対岸の港から白波を立てて向かってくる。

まちぼうけ_f0182432_13385243.jpg

Wide Angle Rolleiflex

「あのブイのあたりで曲るさ。」
船影がどんどん大きくなる。
新城島の近海を右に滑ってゆく。
・・・
曲らない。
「行っちゃったよ・・・」

前日に連絡してもらっていたのに、見事に見捨てられた。
さてどうしたものか、、、今日は郵便船も来ない。
おじぃはもう一泊してけと言うが、明日は一便で波照間に行かなければならない。

石垣や黒島からいくつかの業者がシュノーケルツアーを行っている。
頼み込んで、黒島まで片道載せてもらうことになった。
「シュノーケルツアーだから、泳ぐのに付き合ってもらうぞ、道具はないけど」
まぁ、こういうアクシデントもいい。

蒸した狭い船内で、海パンに着替える。
体一つ碧い碧い海に飛び込む。
ほぼ生まれたままの形で、海に抱かれる。
黒島沖のサンゴ礁は言葉では言い表せない。
細胞が生き返る海。

新城島はちょっと気合を入れないと行けない島だ。
その後は船に忘れられてはいない。
行ったすぐ後は濃密すぎておなかいっぱい、と思うのだけど、
しばらくするとまた二人に会いたくなる。
もう半年会っていない。
また顔見に行こう。

by jazz_houser | 2009-01-27 12:40 | 新城島


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